ひとびとは神話を通じて世界を解くヒントを手にしている。
当時の宇宙観は科学知識の進歩により作り出されていた、それは果たして真実なのだろうか?かつて地球を測量したフンボルトによると、「外の世界が存在するのは、我々が『自身の中』で感じているからである。」なんだそうだ。先ず人々の心を落ち着かせないことには、世界はグラグラと崩れてしまう。 捉えきれない「神話」を問いとし、不安定な「心」のために、光となる“パンのクズ“を見つけださなければ。
今回シリーズ名を『神々からのレシピ』にしたのは、10個の神話の序章を織り込み、見る人各々にストーリーを読み取る力を取り戻してもらいたいからだ。神々のとんでもない爆笑ストーリーの中から、人生の処方箋を探し出してもらい、毎日それを履いてもらいたい。 世界に存在する神話を読み解く手段として、今シリーズの全てを昔ながらの編み方(二重環縫い)ができる機械で製作することにした。機械の特性によって色使いに制限はあるが、織り方の変化を駆使し、特殊な糸を開発することで、靴下の上で編み出されるストーリーに鮮やかさとユーモアを詰め込むことができた。それはまさに今までの+10・テンモアらしい豊富な多様性へとつながった。
+10・テンモアが靴下を介して作り出している想像の空間には、神話がひとびとの心に描き出す空間のように、考えを膨らませる余白がある。誰の心の中にもその空間をつくり出すことができる。そう!このシリーズは+10・テンモアによる神話なのだ!神話は言い伝えられていく中で、解釈の幅がどんどん広がっていった。これがまさに神々が私たちに見せてくれる真の顔なのだ。 そして「世界の終わり」は一番古臭い方法で解読するしかないのだ。